当診療所で行っている主な検査についてご紹介いたします。
臨床検査室のご紹介
臨床検査室では、患者様から採取された血液・尿などの検体検査や、直接体の情報を得る超音波検査、心電図検査などの生理機能検査を行っております。
専門的な知識をもった臨床検査技師が検査に従事しております。 私達は患者様に安心して検査をお受けいただけるよう、【安全で、正確な検査】を迅速にご提供することをモットーにしています。
血液検査
臨床検査技師が1日平均約100人の採血を行っています。(2016年12月現在)採血した検体は迅速に検査を実施し、採血後1時間ほどで結果をお出ししております。
血液検査で甲状腺疾患の診断材料となる項目は、FT3、FT4、TSHなどのホルモン検査と、TRAb、TgAb、TPOAbなどの自己抗体検査、腫瘍マーカーとしても用いられるHTg(サイログロブリン)があります。 この他、必要に応じて検査項目を追加します。なお、下記の時間内に受付していただくと、当日の検査結果をもとに診察させていただきます。(一部の項目は除きます。)
午 前 | 午前9:30~午前11:30まで |
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午 後 | 午後2:00~ 午後4:30まで |
当院では標準採血法ガイドラインを遵守し採血を行っておりますが、より安全に採血を受けていただくために、下記の「採血についてのご説明」をご覧ください。
(PDFで掲載しています)
採血についてのご説明
採血時のお願い
- 採血時には針を刺す痛みは多少ありますが、しびれや違和感などありましたらすぐにお申し出ください。
- 採血後は止血テープを貼らせていただきますが、採血部位から血液が出てきますので5分程度しっかり押さえていただくようお願いします。その際、衣服に血液がつかないようご注意ください。
- 採血部位を揉むと内出血することがありますので、揉まないようお願いします。
超音波検査(エコー検査)
超音波検査は、甲状腺の大きさや腫瘍病変の有無や性状、周辺のリンパ節が腫れていないかを調べます。最近では、触診では到底見つけられない数ミリの腫瘍まで発見できるようになりました。
検査時のお願い
- 首に検査用ゼリーをつけて行いますので、できれば前開き、あるいは首周りの開いた服装でご来院くださいますようお願いします。
- 検査時にはネックレス、ネクタイなども外していただきますのでご了承ください。
心電図検査
心電図検査は、胸や手足に電極をつけて心臓の電気的活動を計測する検査で、心拍数や不整脈の有無を確認します。特にバセドウ病では心房細動を合併していないかを調べます。
検査時のお願い
- 心電図は胸部、両手首、両足首に電極を付けて、ベッドに仰向けの状態で検査を行います。脱ぎ着しやすい服装でご来院くださいますようお願いします。
- 検査時にはネックレス、ネクタイなども外していただきますのでご了承ください。
エコー下穿刺吸引細胞診検査
エコー下穿刺吸引細胞診検査は、超音波による画像を見ながら採血針と同じくらいの太さの針を腫瘍に刺し、細胞を採取します。採取した細胞を調べることで、腫瘍が良性・悪性かを鑑別する判断材料になります。
※検査は予約制になっています。予約時に来院時間等をご説明します。
検査時のお願い
- 検査当日は、超音波検査と同じように、前開きあるいは首周りのあいた服装でご来院くださいますようお願いします。
- 検査後は、日常生活に特別注意することはありません。シャワー、入浴も可能ですが、穿刺部位を強くこすらないようにお願いします。
放射線検査室のご紹介
放射線検査室では、放射線を使った検査・治療を行っています。
各検査で得た画像の解析や、コンピューターを使った画像処理とともに、安全・安心な検査・治療ができるよう放射線施設の管理も行っています。
X線検査
場所:2F X線検査室・CT検査室
X線を検査部位に照射し、透過したX線を検出器で画像化することにより、診断する検査です。
X線検査と一口に言っても多彩な方法があります。当診療所では、一般撮影検査とCT検査と骨密度検査を行っています。
CT検査
CT検査は、X線・検出器・コンピューターを用いて人体の断面像を作る装置です。断面を薄くすることで、病気による小さな変化の発見・観察をすることができます。 また、甲状腺疾患の正確な診断のために造影剤(非イオン性ヨウ素製剤)を使用する場合があります。 造影CT検査を行うと、臓器や病変の位置・状態をより鮮明に写し出し、診断精度向上に有効であると言われています。 検査時間は造影剤を使用しない単純CTでは10分程度、造影剤を使用するCTでは20分程度です。
骨密度検査
骨密度検査は骨粗しょう症の診断目的で行います。骨粗しょう症とは、骨の内部の密度(骨量)が減少してもろくなり、骨折しやすくなった状態、あるいはすでに骨折を起こしている状態をいいます。
甲状腺疾患と骨粗しょう症の関係ですが、バセドウ病など甲状腺機能亢進症によって甲状腺ホルモンの高い状態が続くと、その甲状腺ホルモンの働きにより骨吸収が進み、骨粗しょう症をきたしやすいといわれています。
また、副甲状腺機能亢進症でも骨粗しょう症になります。副甲状腺から分泌されるホルモンは血液中のカルシウム濃度を一定にする役割があります。このホルモンが過剰に分泌されることにより血液中のカルシウム濃度が濃くなります。その分、骨の密度が薄くなり骨粗しょう症をきたしやすいと言われています。
また、閉経後の女性で骨粗しょう症が多いのは、女性ホルモンの減少により骨吸収が進むことが原因といわれています。
検査方法について(DXA法)
エネルギーの異なる2種類のX線を測定部位にあてることにより骨の面積あたりの密度を測定する検査方法です。DXA法により腰椎、両大腿骨、前腕の骨密度を測定します。検査時間はお着替えを含めて15分程度です。
アイソトープ検査
アイソトープ検査は、核医学検査やRI検査とも呼ばれていて、ごく微量の放射性薬剤(ラジオアイソトープ:RI)を含む薬を用いて病気を診断する検査です。当診療所では、甲状腺アイソトープ検査・アイソトープ全身検査を主に行っています。
この微量の放射性薬剤が内服・注射などにより体内に入ると、特定の組織(甲状腺・腫瘍など)に集まりそこから放射線を発します。この放射線をガンマカメラ(シンチカメラ)と呼ばれる特別なカメラで体外から測定し、その分布を画像にします。これをシンチグラフィといいます。
また、この検査の特徴は臓器の位置や大きさのほかに、『働き』が分かるというところです。一般撮影検査やCT検査などは主に臓器の形の異常をとらえるのに対して、アイソトープ検査は臓器の働き(機能)をとらえることができます。痛みも無く副作用も非常に少ない検査で、多くの病気の診断に利用されています。
被ばくに関しては、投与された放射性薬剤は、物理的減衰や排泄などにより、短い時間で体内から消失します。アイソトープ検査1回あたりの被ばく量は、1~15mSvです。これは一般撮影検査や、1年間に自然界から受ける被ばく量と同程度だと考えられています。
図 ガンマカメラ