伊藤病院は、私の祖父・伊藤尹が1937年に創設した甲状腺疾患専門の民間病院で、2022年、85周年を迎えました。もともと病理医であった祖父は、顕微鏡を介しバセドウ病に興味を抱き、自身で診療するべく外科医に転じました。その後、大分県別府市の野口病院で副院長を務めた後、祖母の郷里である東京表参道で開業し、20年間をかけて病院の基礎を築きました。 1959年に父・伊藤國彦が継承し40年間にわたり病院を司り、現在のスタイルを構築しました。引き続き、私が1998年に院長職を継承し、2022年で24年となりました。 このように開設時の目標である甲状腺疾患専門施設としてのミッションを貫き、他領域には脇目もふらずに、突き進んでいることが、私共の最大のプライドです。
そして2004年6月に名古屋市中区に名古屋甲状腺診療所を開設し、2011年にはアイソトープ診療機器を導入した施設を建築し、東海地方の甲状腺を病む方々に、伊藤病院同様の専門診療を差し上げております。
さらに、それらの経験を活かしつつ、2017年11月に札幌市中央区に、最先端設備を有した、さっぽろ甲状腺診療所を、新たに開設いたしました。 甲状腺疾患診療の95%以上は、外来診療で完結することが出来るようになりました。それらの診断の柱は、採血と頸部超音波検査の2つです。現在は、ごく微量の採血で得られた血清検査により、甲状腺から分泌されている現在の甲状腺ホルモン分泌量、それらを制御する下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌量を知り、甲状腺の機能が過剰となるバセドウ病や逆に機能が低下する橋本病に罹患しているかが、30分程の短時間で容易に確認できるようになりました。
頸部超音波検査は、甲状腺の形の異常を確認する検査法ですが、検査機器と技術の進歩が著しく、甲状腺の中身が透き通るように分かるようになりました。さらに癌が疑われる場合には、その部位に注射針を刺します。そこで採取された細胞を、顕微鏡で確認することで、長径2~3ミリの早期癌が発見出来ます。
それらの診療進歩も含めて、甲状腺の診断・治療に関して、書籍に限らず、インターネットを介して情報提供を差し上げようと、1998年より病院案内や疾患ごとに、その概要を説明する内容のネット発信を開始し、多言語対応も含めて、複数回のバージョンアップを続けてまいりました。
そこで関東圏と東海地方に限らず、北海道で生活する方々についても、甲状腺に少しでも悩みのある方々の安心のために、当ホームページと、さっぽろ甲状腺診療所が、お役に立てれば幸いに存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
医療法人社団甲仁会 理事長
伊藤 公一
平素より、さっぽろ甲状腺診療所をお引き立ていただき誠にありがとうございます。
さっぽろ甲状腺診療所は東京都渋谷区の甲状腺専門施設である伊藤病院と同様「甲状腺を病む方々のために」を理念に掲げ2017年11月に開設いたしました。開設以来北海道胆振東部地震、COVID-19禍と度重なる災禍に見舞われながらも大過なく診療を継続できていることは、ひとえに皆様方のお引き立ての賜物であり大変感謝しております。
当施設は甲状腺疾患の診療に不可欠な血液検査と超音波検査について、即日結果をご説明できる体制を整えております。さらに、甲状腺がんの診断に欠かせない細胞診検査も行っております。また、手術の必要な患者様のマネージメント、挙児希望から妊娠、出産、産後における甲状腺の管理等は他施設と緊密な連携にて対応しております。
伊藤病院で培った甲状腺疾患専門診療の経験を駆使し、患者様目線でなおかつ適切・安全な質の高い医療をご提供できるよう職員一同努力して参りますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
さっぽろ甲状腺診療所 院長
岩久 建志